2026年の日本ラグジュアリー市場を採用の観点から分析。インバウンド動向、新規出店計画、人材需要の変化を予測します。

2026年の日本ラグジュアリー市場 — 数字で見る現在地

矢野経済研究所の調査によると、2023年の国内ラグジュアリーアパレル・服飾雑貨市場は1兆6,800億円に達し、コロナ前の2019年比で169%という驚異的な成長を記録しました。この勢いは2024年以降も続いており、インバウンド需要と円安による割安感が高額品の購買を後押ししています。

一方、グローバルでは変調の兆しも。ベイン・アンド・カンパニーのレポートでは、世界のラグジュアリー市場は微減傾向にあり、2025年下半期は「選別の時代」に突入したと指摘されています。この中で日本市場は相対的に堅調であり、各ブランドの日本への投資意欲は高い状態が続いています。

コングロマリット別の動向と採用への影響

リシュモングループ — カルティエ牽引で堅調

リシュモンの2025年3月期通期決算では、ジュエリー部門の売上高が為替一定ベースで前年比8%増加し、アナリスト予想の7.54%を上回りました。2026年度第1四半期(2025年4〜6月)も売上54億ユーロ、前年比6%増と好調を維持しています(出典: Bloomberg)。カルティエとヴァンクリーフ&アーペルが成長の牽引役です。

夕暮れ時のラグジュアリーショッピングストリート

この好業績は採用にも直結しています。リシュモン傘下ブランドでは日本市場での人材採用を積極的に進めており、特に宝飾メゾン(カルティエ、VCA、ブチェラッティ、ピアジェ)で複数のポジションが常時オープンしています。

LVMH — 全体は軟調も日本は健闘

LVMHの2025年第1四半期はオーガニックベースで売上▲3%と軟調でした。しかし日本市場は▲1%にとどまり、過去の高水準と比較しても健闘しています(出典: Bloomberg)。ルイ・ヴィトン、ディオール、ロエベなどのメゾンでは引き続き販売職の採用ニーズがあります。

ケリング — 立て直し期

ケリングはグッチの立て直しが課題となっており、全体としては苦戦しています。ただし、ジュエリー部門のブシュロンやポメラートは堅調で、ニッチな採用機会は存在します。

2026年の採用トレンド予測

  • 多言語人材の需要急増 — インバウンド回復で英語・中国語・韓国語スキルを持つ販売員は引く手あまたです。語学手当を支給するブランドも増加しています。
  • 経験者の争奪戦 — ブランド間での人材引き抜きが活発化。特にハイジュエリーと高級時計の専門知識を持つ販売員は希少価値が高まっています。
  • DXスキルの重視 — CRM活用、クライアンテリング、バーチャルアポイントメントなど、デジタルスキルが評価される傾向が強まっています。
  • 銀座・心斎橋エリアの新規出店 — 旗艦店のリニューアルや新規出店に伴い、まとまった人数の採用が発生する傾向があります。

転職市場への示唆 — いまが好機か

リシュモングループの堅調な業績とインバウンド需要の継続は、ラグジュアリー販売職の転職市場にとって追い風です。特に宝飾・高級時計分野は人材不足が慢性的であり、経験者にとっては年収アップを伴うキャリアチェンジのチャンスが広がっています。

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